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【海外でパイロット】ヨーロッパのパイロットライセンス EASAとは?

what-is-easa 質問に答えます
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アメリカではFAA、日本だとJCAB、カナダだとTCCA(CCA)などなど、国により航空局があり、それぞれ免許を発行したり、法律を制定したりしています。

ヨーロッパでは、以前は大きくヨーロッパでの決まりはありましたが、基本的にはそれぞれの国で行っていました。

EASAとヨーロッパでパイロット免許取得に必要な座学の種類や飛行時間などを解説していこうと思います。

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【海外でパイロット】EASAってそもそも何?

ヨーロッパでパイロットライセンスを取得するときによく目にする「EASA」という単語。これはいったいどういうものなのでしょうか。

EASA=European Union Aviation Safety Agency

ヨーロッパは「EU」として「国は違えど、色々な制度は共通していきましょう」という考えがあります。

以前は航空局が各国にあり、大まかな部分では共通した認識を持っていましたが、違う部分も多々ありました。

それらを段階的に共通にしていき、現在ではドイツのケルンという都市に本部を置く「欧州航空安全機関」となりました。

航空局とは別で、ヨーロッパ全体の航空関係の安全を考えて、色々な取り決めを行ったりする機関で、ここで決定されたものを各国の航空局に通達をし、航空局から各航空会社やフライトスクールなどに情報が行くような仕組みになっています。

パイロットライセンスは、各国少しずつトレーニングが違いましたが、現在ではパイロットとして働くことを考えた場合のライセンスについては、EASAという組織がボスとなり、ヨーロッパ全体で共通ライセンスのようになっています。
ただし、免許の発行はそれぞれの国で行われます。
免許のデザインもそれぞれ違います。

フライトスクールはEASAの基準を満たしている必要があり、基本的にはどの国で訓練をしても同じ水準となります。

【海外でパイロット】ほかの国よりもパイロットになるための座学が多い?

パイロットとして働くことを考えた場合、必要なパイロットライセンスは、最終的には「ATPL」です。

ヨーロッパでATPLを最終的に取得するためには、まずはATPLのための座学を受けて、筆記試験に合格する必要があります。

勉強を始めようと思ったときに思ったのが、「座学が多いんじゃない?」ということです。
全部で14教科

EASAのパイロットライセンスを取得するために必要な座学の教科はこちら。

  • Human Performance & Limitations
  • Air Law & ATC Procedures
  • Operational Procedures
  • VFR Communications
  • IFR Communications
  • Meteorology
  • Principles of Flight
  • Performance
  • Flight Planning
  • General Navigation
  • Mass & Balance
  • Aircraft General Knowledge
  • Instrumentation
  • Radio Navigation

おそらく、ほかの国(航空機関)でも同じような量を勉強することとは思うのですが、印象的になんだか多いように最初は感じていました。

最終的に、エアラインなどで働きたい人が取得を目指すATPLという免許。
これを取得するためには、まず始めに座学を全部終わらせないといけません。

座学は650時間行われます。そのうち、10%は教室での授業が義務付けられています。

以前はすべて教室で授業が行われていましたが、COVID-19により、ほとんどのフライトスクールでは座学がオンラインで行われるようになりました。

対面授業の義務化を無くし、座学の全過程がオンラインで行われるところも出てきて、今後このような仕組みを継続するのかもしれません。

座学自体は6ヵ月強です。その後、試験を受けるまでは自習。
試験を受ける自信がついたら、申し込みをして試験を受けます。(自己判断)

座学の進め方はフライトスクールによりけり。

教科ごとにまとめてやるところや、すべてを少しずつ進めるところもあります。
座学がすべて終わってからは、1ヵ月~2ヵ月ほど自習をして、その後試験。

試験には「受けていい回数」が決められていて、「期間」も決められています。

2021年現在、最初の座学筆記試験を受けた月から、18ヶ月以内に全教科合格しないといけません。また、試験は最大6回と回数が決められています。1教科、最大4回まで再試験が可能です

上記の条件で合格できなかった場合は、すべてやり直し、となる場合があります

3日間に渡る試験

ドイツでのATPL筆記試験は、1ヵ所でのみ。場所はBraunschweigという都市にあるLBA(Luftfarht Bundesamt)で行われます。

僕の時には、自分で教科を選択して、3日間に分けて試験を受けました。

机1つにつきPC1台が用意してあり、他の人とは少し離れています。とは言え、コンピューターでランダムに試験問題が作られているはずなので、同じ試験内容にはならないかと思いますし、試験の進め方も人それぞれ違います。

PCにログインすると、自分で試験を受けたい教科を選択して、試験スタートとなります。

1教科終えると、試験会場の外で少し休憩することも可能です。決められた試験時間の時間配分は個人の自由です。

僕には正直つらかった。もうやりたくないです・・・。

14教科と聞くと、多いように思うかもしれませんが、教科ごとに細分化されているだけで、内容的にはほかの国と同じかなぁ、と思われます。
知識は「広く浅く」が求められる、とよく先生たちは言っていました。

実際に使わないこともたくさんやりますが、「ある程度は知っておきましょう」という感じでしょうか。

試験の言語は「英語」か「ドイツ語」を選択することができました。教科ごとに選択できるようになっていました。「2022年8月以降は英語のみ」の試験になるようです。

【海外でパイロット】ライセンス取得までの飛行時間は250時間ぐらい

座学がおわったら、やっと飛行機に乗れます。

おおよそ、シミュレーターの時間も入れると250時間程度の飛行時間になると思われます。

飛行内容は、ほかの国とそこまで大きな差はないのではないかと。
教官として飛んでいたりするわけではないので厳密なところは・・・。

【海外でパイロット】EASAライセンスはヨーロッパのどの国でも使えるの?

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moonziggによるPixabayからの画像

大きな利点はここでしょうか。

FAAの免許を所有していても、カナダ国籍の飛行機は飛ばせない。
日本の免許を所有していても、アメリカ国籍の飛行機は飛ばせない。

書き換えも可能ですが、国によって色々違いがあります。

EASA発行の免許だと、スペインで免許を取得して、アイルランドの会社に就職をして、アイルランド国籍の飛行機を飛ばすことは可能です。

そのため、「英語さえできればいいよ」という会社には、いろいろな国籍のパイロットが所属しています。
当然、ヨーロッパ外からわざわざパイロットを雇う必要もなくなるわけです。

就労ビザの問題は、外国で働くことを考えると常に付きまとってきますね…。

会社によっては、会社のある国の航空局が発行した免許のみを受け付けるところもありますが、今では少ないように思います。

運航する飛行機の国籍がヨーロッパ籍のため、中東の会社でも「EASAのみ」というところもちらほら。

【海外でパイロット】ヨーロッパのパイロットライセンス EASAとは?まとめ

EASAとは「European Union Aviation Safety Agency」のことで、ヨーロッパの航空安全のための機関です。

航空局は各国別にあり、空域を始めとする細かな法律は各国の航空局が定めています。

ATPLを取得したい人が修了しないといけない座学やフライトトレーニングについては、EASAが定める基準をクリアしているフライトスクールが行っているので、基本的にはどの国のフライトスクールに通っても、就職活動に差し支えることはないと考えて大丈夫です。

アメリカやオーストラリアなどでは、現地の航空局の免許と同時にEASAの免許も取得できるところもあるようなので、今後の目的によってはどちらの免許も取れるようなフライトスクールを探してみるのもいいかもしれません。

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