子どもの頃は「エアラインのパイロットになりたい」というような夢を抱いていました。
その後、紆余曲折もありながら、なんとかパイロットの免許を取得。長い時間がかかりましたが、パイロットの職に就くことには成功しました。
ただ、残念ながら夢に抱いていた「エアラインのパイロット」は叶いませんでした。
それなのに「パイロットである」と名乗っているflyjet。
子どもの頃は知りませんでしたが、パイロットの世界にも、色々なパイロットが存在しています。
その中でも僕は「ビジネスジェットのパイロット」というところに落ち着いています。
「プライベートジェット」とも言われたりしますね。大きな枠では「ビジネスジェット」も「プライベートジェット」もあまり変わりません。所有者が誰なのか、どのような使い方をしているのか、の違いですが、使用する飛行機もパイロットライセンスも同じです。
ビジネスジェットの世界とはどのようなものなのでしょうか。知っている範囲でお伝えします‼
【海外でパイロット】ビジネスジェットって何?

日本ではあまり馴染みのない「ビジネスジェット」という言葉。
ヨーロッパでは、北アメリカには数が劣りますが、それなりの数のビジネスジェットが飛び交っています。
会社で所有しているところも多々。「社有機」などと呼ばれたりしますね。
個人で所有している場合は「プライベートジェット」などと呼ばれたり。
また、ジェット機ではなく、プロペラ機を所有していたり、ヘリコプターを所有している個人や企業も多数あります。
一口に「ビジネスジェット(プライベートジェット)」と言っても、色々な種類が存在します。
普段皆さんが普段乗っていて、イメージする「飛行機」は「旅客機」だと思われます。羽の下にエンジンがついている飛行機ですね。↓のような飛行機

「ビジネスジェット(プライベートジェット)」と呼ばれる機体は、基本的には飛行機の後ろのほうにエンジンがついています。↓のような飛行機

皆さんの中には、機体の後ろのほうにエンジンがついている飛行機を見ると「小型機」と言っていたり「小さい飛行機で揺れそう」「小さい飛行機だから怖い」と思われるかもしれませんが、9割近くの「ビジネスジェット(プライベートジェット)」は、機体のお尻付近にエンジンがついています。
また、小型に分類されるビジネスジェットは、上の写真のように機体サイズも小さく、海外旅行の時に皆さんが乗る飛行機の下を通ることができるんじゃないか?というぐらいのサイズ感です。
でも、世界のお金持ちは、このような飛行機に乗って移動しています。
【海外でパイロット】ビジネスジェットは何人乗り?

上記したように、とても小さいビジネスジェット。
一体、何人乗りだと思いますか?
当然ですが、飛行機のサイズにもよりますが、乗客4人乗り~20人乗りぐらいまで幅があります。
小さい飛行機になってくると、4人乗りですが、大抵の場合1人か2人で搭乗されます。
4人乗りと言っても、4人で乗るとギューギューです。
対面式の座席配置だと膝がぶつかるぐらい。
ビジネスジェットを利用する人たちは、このようなことを知っているので、搭乗可能人数の半分ぐらいで利用することがほとんどです。(例外もあります)
飛行機によっては、ソファが設置されていて、飛行機の窓に背を向けて座るような形になります。
そのため、シートベルトを装着していても、離着陸時にはお尻がずれてしまうことがあったりするので、使用される機会は少ないです。
B737やA320をプライベートジェットとしても使用できます。このような飛行機では20人乗り~50人乗りになっていたりします。
座席は、皮張りの1人用座席が多く設置されている飛行機が多いです。
旅客機のように、フルフラットになる座席はあまりありません。その分、座席4席を使用してベッドにすることができたり、3人掛けや4人掛けのソファをベッドにすることができるような、所謂ソファベッドがあったりします。
ベッドにしたり出来る座席を搭載している飛行機は、主に中距離から長距離を飛ぶことができる、中型から大型のビジネスジェットです。
短距離を飛ぶ、小型ビジネスジェットでは飛行時間が長くても3時間や4時間のため、ベッドになるような座席はありません。
4人乗りのような飛行機では、目の前の座席のフットレストを使用して、足をのばして休まれている方もいます。
「乗客」としてビジネスジェット(プライベートジェット)を使用してみたいですよね。
【海外でパイロット】ビジネスジェット機の値段はいくら?あなたは買える?

遠い世界だと思っている「ビジネスジェット」
実際、どのぐらいのお値段で購入できるものなのでしょうか?
新しい飛行機を買う場合のおおよその目安はこんな感じです。
小型ビジネスジェット機はおよそ10億円未満
中型ビジネスジェット機はおよそ10億円~25億円
大型ビジネスジェット機はおよそ30億円~70億円
途方もない金額に僕には思えて仕方ありませんが、どんどん売れている現実…。
中古でも購入可能ですが、それでも数億円は必要になってきますね。
上記のお値段は「機体のみの価格」です。
その他の必要経費は別に必要。
空港の駐機場使用料、保険、運航に関わる費用、メンテナンスなどなど、毎年かなりの固定経費がかかってきます。
車を保有するときにも、駐車場代や車両保険、事故の時の保険や車上荒らしにあった時の保険、タイヤ代、メンテナンス費用と結構お金がかかります。
飛行機でも同じですが、やはり金額が大きいです。
これらの必要経費が飛ばなくても支払いをしないといけないことを考えると、やはり一部の人にしか手が届かないかなぁ、という感じはします。
僕には買えません…。
【海外でパイロット】ビジネスジェットは小さいのに遠くまで飛べるの?
機体サイズは一般的な旅客機と比べると小さいビジネスジェット。
見た目は小さいですが、どこまで飛ぶことができるのでしょうか?
大まかですが、このような感じです。(ヨーロッパを基準に考えています)
小型ビジネスジェット機でヨーロッパ内
中型ビジネスジェット機で中東やインド、アメリカの東海岸あたりまで
大型ビジネスジェット機でアジアやオーストラリア西側、北アメリカ全土、南アフリカまで
大雑把ですが、機体サイズが大きいと、燃料も多く積めるようになっているので、基本的には機体サイズにより、飛べる距離が大体決まってきます。
旅客機だと、貨物室が客席の下に設置されていますが、ビジネスジェット機の場合は、客室の後ろのほうに貨物室があり、機体のほかの部分には燃料が積めるだけ積めるように設計されています。
そのため、見た目は小さい飛行機でも、旅客機よりも遠くまで飛ぶことができるようになっています。
【海外でパイロット】ビジネスジェットの世界 まとめ

普通に生活をしていたら、あまり馴染みのない「ビジネスジェットの世界」
僕自身、パイロットとして雇われるまで、ほぼ知らない世界でした。
「こういう人たちもいるんだなぁ」ぐらいでしたし、パイロットがどのようにして働いているのかも知りませんでした。
ビジネスジェットのパイロットも、悪くはないかなぁ、と思うので、エアラインだけに拘らず、応募してみてください。
新しい世界を見ることができるかもしれません。
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